出資に対して金銭的なリターンがある投資型クラウドファンディング。
今回は、全32サービスを調査し、評価項目ごとにランキングしました。
これから投資型クラウドファンディングサービスを選ぼうとしている人は参考にしてみてください。
このページの目次
クラウド(crowd=群衆)とファンディング(funding=資金調達)の二つの単語を掛け合わせた造語になります。
プロジェクトを実施したい人が、銀行や株式市場を介さずにインターネット上で世界中の人からお金を集める仕組みです。
いち個人でもプロジェクトの内容次第で多額の資金を集めることができるため世界中で利用が広がっており、日本でも多くのサービスが誕生しました。
今回紹介する『投資型』クラウドファンディングは、一般に知られている寄付や購入ではなく、お金を投資し金銭的なリターンがあるクラウドファンディングです。
クラウドファンディングについて詳しく知りたい方は↓の関連記事をご覧ください。
投資型クラウドファンディングにはどんなタイプがあるか確認しましょう。
投資型のタイプには以下の3つがあります。
別名「ソーシャルレンディング」とも呼ばれています。
ネットを通じて企業や個人にお金を貸し付けるサービスです。
株式や投資信託などの売買売買によって得られる利益ではなく、家賃収入や貯金による利子と同じような形の利益になりますので、比較的安全で安定したリターンが得られます。
債務者保護の関係で投資先が見えないという点がデメリットです。
融資型に比べてより事業を支援するという投資の意味合いが強いサービスです。
利益は支援した企業の事業(売上)に応じて変動します。
投資先の状況を把握でき、事業の調子がよければ受け取る利益が増え逆に悪ければ受け取る利益は減ることになり、変動のリスクは常にある形です。
日本ではまだこの形のクラウドファンディングができる業者は限られており、サービス数も少ないです。
株価が期待できる未上場企業の株を購入し、その会社が成長したところでその株を売却するという売買益で利益を取る形のクラウドファンディングサービスです。
こちらもファンド型と同じく日本ではまだあまり広く普及していませんが、その期待値から多くの投資家がサービスに登録し、案件が出るや否やすぐに応募が殺到するというような状況になっています。
難点は、利益が出るタイミングはわかりづらく、利益が出ない可能性も大いにある点です。その分、株式の価値が上昇した時の利益は計り知れないものがあります。
最後にまとめとして各タイプの比較表を作成してみました。
融資型 | ファンド投資型 | 株式投資型 | |
リターン | 中 | 高 | 超高 |
リスク | 低 | 高 | 超高 |
メリット | 安定利益 | 投資先が見える | リターンが大きい |
デメリット | 投資先が見えない | 利益の変動がある | 期間が見えない、利益発生の確率が未知数 |
サービス数 | 23サービス | 6サービス | 3サービス |
融資型のサービスが多く存在しており、利益を取りやすい不動産関係のサービスが多くなっています。
株式投資型のリターンも非常に魅力に感じますが、実現するのか?いつになるかわからない、という不安もありますので、クラウドファンディングでの投資を始めるのであれば、最初は安定している融資型の中から比較して選んだほうが良いと思います。
投資型クラウドファンディングには様々な投資分野があります。
不動産
マンションや商業ビルなどの物件が主。
その他には古民家、駐車場、民泊、デザインアパートなど。
会社(事業)
インターネット関連、飲食、教育、観光、食品加工、ヘルステック、AI(人工知能)、ロボット開発、IoT、Fintech、太陽光など。
変わったところだと、スポーツチーム、動物病院、温泉旅館など。
その他
住宅ローン、自動車ローン、結婚式の費用など。
サービスとして一番多いのは不動産関連になります。安定して利益がとりやすいため大きな広がりを見せています。
それぞれ評価項目別にランキングをまとめました。
クラウドファンディング業者の安定性ということで自分のお金がどれだけあるかという自己資本比率でランキングしました。
資金力があればあるほど事業も大規模に展開ができ、業者の体力があるということは万が一案件がデフォルトを起こした場合の対応も期待できます。
なお、公開されている財務情報がない会社は除いています。
順位 | サービス名 | 運営会社 | タイプ | 自己資本比率 |
1位 | ゴエンジェル | DANベンチャーキャピタル株式会社 | 株式型 | 83.6% |
2位 | タテルファンディング | 株式会社TATERU(東証一部上場) | 融資型 | 43.3% |
3位 | FUNDINNO(ファンディーノ) | 株式会社日本クラウドキャピタル | 株式型 | 41.8% |
4位 | クラウドバンク | 日本クラウド証券株式会社 | 融資型 | 40.0% |
5位 | ソライチファンド | 株式会社ALLアセットパートナーズ | ファンド投資型 | 30.8% |
株式型のゴエンジェルの自己資本比率がずば抜けていますね。できたばかりの会社ということもあるのでしょうか。
最高利回りでのランキングになります。
順位 | サービス名 | タイプ | 利回り |
1位 | オーナーズブック | 融資型 | 14.60% |
2位 | クラウドクレジット | 融資型 | 12.02% |
3位 | スマートレンド | 融資型 | 12.00% |
3位 | グリーンインフラレンディング | 融資型 | 12.00% |
5位 | レンデックス | 融資型 | 10.00% |
オーナーズブックの14.60%が凄いですね。
参考までにその他の金融商品のだいたいの利回りも紹介しておきますが、これに比べると明らかに利回りが違います。上手くいくと不動産投資以上の利回りが出ることも・・・
金融商品 | 利回り |
REIT | 4% |
ETF | 4% |
投資信託 | 4~6% |
定期預金 | 0.05% |
個人向け国債 | 0.05~3% |
不動産 | 6~10% |
こちらは最低投資期間でのランキングになります。
投資期間が短いと同じお金で何度も投資ができるので投資効率は良くなります。
また、期間が短いことで経済環境などの大きな流れや突発的なリスクの発生の確率が低くなるので安全性は高くなります。
ただし、その代わりにそういった案件は利回りが低いことが多いです。
順位 | サービス名 | タイプ | 運用期間(最短) |
1位 | オーナーズブック | 融資型 | 1ヶ月 |
1位 | スマートレンド | 融資型 | 1ヶ月 |
1位 | SAMURAI | 融資型 | 1ヶ月 |
1位 | クラウドリース | 融資型 | 1ヶ月 |
5位 | マネオ | 融資型 | 2ヶ月 |
こちらは投資家数(登録ユーザー数)ランキングです。
登録しているユーザーが多いということはそれだけ魅力的な案件が紹介されていることの証でもあると思います。
ユーザー数は公開されている情報を元にしており、公開情報がないサービスは除外しています。
個人的な意見ですが、そういった情報公開を積極的に行っていないサービスは信頼性といった意味でおすすめ度は下がります。
順位 | サービス名 | タイプ | ユーザ数(登録者数) |
1位 | マネオ | 融資型 | 8万人弱 |
1位 | タテルファンディング | 融資型 | 8万人弱 |
2位 | クラウドクレジット | 融資型 | 3万人超 |
3位 | オーナーズブック | 融資型 | 2万人弱 |
3位 | クラウドバンク | 融資型 | 2万人弱 |
やはりたくさんの案件の中から選びたいという方におすすめのサービスです。
累計の案件数でのランキングになります。
案件数があって選べるということも一つありますが、多くのプロジェクトを扱っているということは、多くの知見やノウハウが貯まっているということにもなりますので、サービスの信頼性の一つの指標にもなるかと思います。
順位 | サービス名 | タイプ | 累計案件(プロジェクト)数 |
1位 | マネオ | 融資型 | 13,427件 |
2位 | クラウドリース | 融資型 | 6,069件 |
3位 | グリーンインフラレンディング | 融資型 | 2,204件 |
4位 | LCレンディング | 融資型 | 1,922件 |
5位 | キャッシュフローファイナンス | 融資型 | 1,097件 |
ただ、マネオはこれだけ多くの案件を取り扱っていることからか、延滞が多く発生していますので、その点は注意が必要です。
ここでは様々な条件を総合的に判断した信頼できるサービスの総合ランキングを紹介します。
東証マザーズ上場企業が運営する融資型クラウドファンディングサービスです。
1万円から投資が可能で元本毀損(元本割れ)実績が0円と安心できます。
運用期間が1ヶ月からと試しにやってみるにはちょうど良い期間ですね。
実績利回りで14.6%という案件もあり、案件次第でしっかりと利益が狙えます。
証券会社が運営する融資型クラウドファンディングサービスです。
自己資本率40%ということで安定した財務基盤をもった会社が運営しているので安心です。
また、証券会社が運営しており、金融庁の厳しい基準もクリアしているので、しっかりとしたサービスとなっています。
こちらは株式投資型のサービスになります。
何といっても魅力は一般人には回ってこない未公開企業の株式をもらえるところになります。
注意が必要なのは投資した会社が成長して上場できるかどうかはその会社次第ということです。
また、未公開の株式なのでその企業が上場するかM&Aで他の会社に買収される際に利益が出る形になります。
ただし、上場やM&Aの場合は株価が高騰することが多いので、案件次第でリターンが大きくなります。
夢を買うという意味の投資であれば◎。
こちらはサービスの紹介動画もあるので掲載します。
東証一部上場企業である株式会社TATERUが運営する融資型クラウドファンディングサービスです。
通常、不動産投資をするには数千万円単位のお金が必要になりますが、1口1万円から不動産投資が可能です。
自己資本比率も高く安定した財務基盤で安心できるのか、参加している投資家数も8万人を超えていて人気のサービスです。
運用期間も3ヶ月から1年程度なので預金で置いておくお金があればいくらか試してみるのはアリです。
株式会社LCレンディングが運営する不動産特化型のサービスになります。
着実な事業を心がけており、運用期間も6ヶ月からと少し長めに設定されています。
そのためしっかりと利回りは確保できています。
新しいサービスが多い中、比較的早くにサービス提供を開始しており、運用実績ノウハウはしっかりしています。
今回のご紹介は、投資型クラウドファンディングサービスのランキングでした。
いかがでしたでしょうか?
気になるクラウドファンディングサービスは見つかりましたか?
サービスの特徴も一長一短で、種類がたくさんあって迷うかもしれません。
そんな場合は、気になるサービスに一旦登録してみるのがおすすめです。サービスの登録自体は無料で特に費用は掛かりませんし、登録したからといって必ず何か投資しなければいけないわけではありません。登録しておいて、気に入った案件があれば投資してみる、そんなスタンスで問題ないと思います。
まずはどこか1つでも登録して情報を取るところから始めてみてはいかがでしょうか?
ひとり哲学「ひとり時間と仲良くなるのが人生を楽しむ秘訣だ」
ひとりタイプ:貴族
生年月日:1979年1月22日A型
趣味:カメラ、旅行、ダイビング、資産運用、カフェ巡り
仕事は、IT企業の経営企画部でM&Aや会社の分析。
数字に基づいた情報分析は大好物です!
サラリーマンをしながら資産運用を行っており、
運用歴は12年(投資信託、FX、株など)
運用実績は秘密!(いつか公開するかも)
収入源を複数持ち、自分の仕事を趣味として楽しむ『趣味リーマン』を目指してます。