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「独身税」という言葉を聞いたことがありますか?
独身の方にとっては、絶対に始まってほしくない制度ですよね。
実は、世界では過去に独身税が施行されたことがあります。
現在日本には独身税はありませんが、今後どうなるのか気になりませんか?
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過去の結果を基に、施行の有無や効果について現役FPである私が考察します。
これらについて詳しく知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
このページの目次
独身税とは、言葉のまま「独身の人に課される税金」のことです。
消費税のように国民全員に課せれるのではなく、独身の人に限定しているので、この時点で不公平感が漂います。
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施行の目的は、ズバリ少子化や人口減少への対策です。
結婚しない人に税金を課せば、結婚して子供を産むでしょ?という少々乱暴な理論です。
特に日本は2050年頃に人口が1億人を割り、3人に1人が高齢者になると予測されており、少子高齢化と人口減少は深刻な問題になっています。
正直な所、人口を維持するには相当数の移民を受け入れても厳しいのではないかと考えています。
では、人口が減ると何が良くないのかと言うと、物が売れなくなり、経済成長が止まってしまうことです。
人口減→物が売れない→企業の売上減→給料が減る→結婚できない→人口減→…
という負のスパイラルが始まり、抜けられなくなってしまいます。
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経済活動は基本的に成長している前提で行われており、前提が崩れてしまうと大混乱を生じてしまいます。
続いては、 ガールズちゃんねるで交わされていた「独身税について」の投稿を紹介し、FPの観点からコメントをします。
お金なくて結婚できない男の人も多いのに独身税とか酷すぎないか
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そうなんですよね。
独身男性は”独身貴族”と揶揄され、一見生活に余裕があるように思われがちですが、実際は低所得の傾向があります。
結婚や子育てとなると、ある程度の資金(子供1人に2,000万円とも言われています)が必要です。
女性としても苦しい生活を送りたくないと考えるのは普通であり、収入がある男性を選ぶ傾向にあります。
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詳しくは後ほど触れますが、現在の税制は既婚者に有利になっています。
なので、実質的な独身税はすでに施行されているとする考え方もあります。
現状の既婚者有利の税制を継続しながら更に独身税の施行が進んでしまうと、「高額な税金を納めるくらいなら、とりあえず結婚しとこう」と考える人も出る可能性があります。
ここでは一部しか紹介しませんでしたが、他のコメントも基本的に独身税に反対する意見が多かったです。
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では、もし仮に独身税が施行された場合にどのようなことが想定されるか考えてみました。
■独身者に関する事実と独身税の問題点
離婚に焦点を当てれば、養育費と独身税のダブルパンチはあまりにもキツいです。
なので離婚数自体は減る可能性はありますが、どう考えても親の関係性は悪くなるので、子供へ悪影響が及びます。
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以上より、悪い方向にしか向かわないので、施行されても上手くいかない可能性が高いと考えます。
独身税は上手くいかない可能性が高いですが、それでも日本で施行される可能性はゼロではありません。
政府は税収低下による国債の増加を抑えたいため、これまで消費税や保険料のUPを進めてきました。
更に財源がない中、追い討ちをかけるように2020年に発生したコロナウイルスによる支出が増えています。
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独身税かは別として、今後新たな税金ができるのではないでしょうか。
実は、近年ではイタリア(1927〜1943年)やブルガリア(1968〜1989年)で独身税が施行されたことがあります。
イタリアでは独身者が既婚者の2倍程度の所得税を払うまでになっていたそうです。
気になる効果としては、税金を納めたくないがために一時的に効果が出たものの、最終的には出生率も下がり逆効果になってしまいました。
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最初は良かったのですが、人々が抜け穴を探すようになり、徐々に制度が崩壊していきました。
言い方は悪いですが、仮に日本が独身税を施行するのであれば、他の国が社会的実験で失敗したことを教訓にしてもらいたいです。
実際に施行されたのは海外の話ですが、日本でも話題になったことがあります。
事の発端は石川県かほく市での意見交換会で出た「結婚し子を育てると生活水準が下がるため、独身者に負担をお願いできないか」という提案です。
実際は議論が出ただけで検討は進んでいないですが、一部メディアが一部を切り取り報道したため、話題になりました。
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その結果としてガールズちゃんねるでトピックが立ちました。
続いて、仮に日本で独身税が施行された時にどう動くべきかについて考察します。
これまで述べてきたように、現時点で日本において施行の可能性は低いですが、避けるには
しかありません。
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残酷ではありますが、顔がいいヤツと金持ちが結婚に有利なのは絶対的真理です。
きっと彼らは結婚する気になれば、簡単に結婚できます。
一方で平均的な収入の独身の人が、ある程度の生活を維持するには給与所得以外の収入を得ることが必要になると考えます。
具体的には、株の配当・不動産・事業による所得です。
これらの収入は以下のような特徴があるので、独身税から自分の資産を守ってくれます。
規模にもよりますが、法人化すると個人よりも税金が安くなることがあります。
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政府としても法人の税金を上げると社会が回らなくなるので、法人税UPには当分着手しないのではないかと考えます。
(実際、近年法人税は下がっています)
その一方で、給与収入は防衛策が非常に限られています。
■給与所得者が行える節税方法
ネット上の意見を紹介した場所でも紹介しましたが、実は独身税がすでに導入されているとの考え方もあります。
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それは、配偶者/扶養控除、子供手当、年金の第3号被保険者の3つです。
これらは既婚者や子供がいる家庭に有利な制度です。
見方によっては、独身者(子なし世帯)から税金を徴収し、既婚者(小あり世帯)に還元しているようにも見えるので、ステルス独身税とも捉えられます。
なので、独身税の導入により不公平感が一気に高まるので、公平感を保つために何かの制度が廃止になる可能性もあります。
政府側からすると収入が増えて支出が減るので非常に良い策です。
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税金は無知な人/何も対策を取らない人に容赦なく襲いかかります。
ただ黙っていると、取られ放題になってしまいます。
人や収入が減ることを想定し、対策を打ったり、余裕のあるライフプランを立てることが重要です。
自分の身を守るのは自分しかいません。
今回は「独身税」についてFPの観点からお伝えしました。
現状、各国で失敗してきたことから、日本でも独身税は失敗する可能性が高いです。
しかし、施行された際に守ってくれる人はいないので、普段からお金(税金)に関してアンテナを張っておくことは大事です。
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目の前の楽しみだけにお金を使うのではなく、将来に備えて投資等の準備をしておきましょう!
ひとり哲学「人に合わせるほどムダな時間の使い方はない」
ひとりタイプ:ストイック
生年月日:1989年11月21日O型
趣味:投資、カメラ、旅行、乗馬
生粋の投資マニアで、収入のほとんどを投資している。
貯金0から5年で純資産◯千万円(ヒミツ)を達成し、ほぼ全てを投資中。
FP、格安SIMアドバイザーの仕事もしている。
普段は格安SIMをはじめとするお金に関する相談を有料で受けている。
ひとり哲学「人に合わせるほどムダな時間の使い方はない」
ひとりタイプ:ストイック